新・ことば事情
6030「ノンシリコーン配合」
風呂場で、シャンプーの詰め替えをしているときに、詰め替え用の袋の文字に目が留まりました。そこには、
「弱酸性・ノンシリコーン配合」
と書かれていたのです。ポイントは2点。
1つ目は、「シリコン(silicon)」は「ケイ素」の元素名で、その「シリコン」を使った樹脂は「シリコーン(silicone)」と「-」で伸ばして表記が違う(英語でも「e」が語尾についてスペルが違う)のですが、それを忠実に、
「シリコーン」
と伸ばして表記していること。これは、初めて目にした気がします。
2つ目は、
「ノン○○配合」
という構文です。これはつまり、
「○○は配合していない」
ということではないのでしょうか?「平成ことば事情4236」で書いた、
「ノーミスをする」
のような形だなあと思ったのでした。ただ、今回の場合は、
「ノンシリコーン」
の物を「配合」したのですから、例えば、
「『遺伝子操作をしていない作物』使用」
みたいな感じなのでしょうか?ただ「ノン」という「否定」の言葉があるのに「配合」とあると、
「配合してるのか、してないのか、どっちやねん!」
と感じて「なんかヘンな感じ」がするのですね。
「シリコーン不使用」
とすれば、わかりやすいと思うのですが、いかがでしょうか?
(追記)
シャンプーのコマーシャルで、やはり、
「ノンシリコーン配合」
と放送しているのを見ました。
「平成ことば事情4064シリコーン」もお読みください。
(2016、10、28)