新・読書日記 2016_066
『下流中年~一億総貧困化の行方』(雨宮処凛・萱野稔人・赤城智弘・阿部彩・池上正樹・加藤順子、SB新書:2016、4、15)
「下流○○」という流行語、最初に登場してからもう10年ぐらいになる。
最初は「若者」、そのあと「老人」にいき、また跳ね返って「中年」にまで。こうなると本当に、サブタイトルにあるように「一億総下流化」になってしまうじゃないか!
「ミヤネ屋」にもご出演頂いている津田塾大学教授で哲学者の萱野稔人さんと、雨宮処凛さんの対談から始まるオムニバスの一冊。2人の対談は実は8年前に行われていて、当時の「下流」の懸念は「若者」についてだった。しかし、8年経って当時の「若者」たちが「中年」になってしまったのだ!「中年」になったからと言って、状況は良くなっていない。かえって悪化している。一足先に「老人」も「下流化」しているし、一体どこに突破口は、明るい未来があるんだああ!という感じである。
「一億総活躍社会」などというスローガンが、むなしく聞こえる一冊。
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