新・読書日記 2016_057
『心に響く51の言葉~一も人、二も人、三も人』(橋本五郎、中央公論新社:2016、3、25)
「ミヤネ屋」にもご出演頂いている、読売新聞特別編集委員の橋本五郎さんの著書。ご本人からサイン入りで頂いた。ありがとうございます。
サブタイトルの「一も人、二も人、三も人」を、五郎さん本人が筆で書かれた書が、表紙を飾っている。そして「人」とは「言葉」であると。その言葉で表される「人=人間性」が全てだと言うことですね。
本をひもとくと、「はじめに」のページに、まずこう書いてある。
「言葉は永遠である」
そして、いきなり大上段に振りかぶり、読者に問いかける。
「民主主義とは何か。」
ドキッとしました。しかし、すぐに五郎さんの答えが書かれています。
「一言で表そうとすれば、この言葉に尽きるだろうと思います。」
その言葉とは・・・、
「私はあなたの意見に賛成はしない。しかし、あなたがそれをいう権利は死んでも擁護しよう。」
知ってます。聞いたこと、読んだことがあります。
「フランスの啓蒙思想家、ヴォルテールの名言とされています」
そうそう、ヴォルテールでした。この言葉を五郎さんが知ったのは、大学1年の時に読んだ丸山真男の『現代政治の思想と行動』(未来社)によってだそうです。私も一応「政治学科」を出たので、教科書としてこの『現代政治の思想と行動』は持っていますし、ちょっとは、かじりました。全部は読んでいません。この機会に、ちょっと本棚の隅っこから取り出して来て読み直してみようかなという気になりました。(実際に、引っ張り出して来たら、字が小さい。でも、懐かしいなあ)
この五郎さんの本は、51の名言によって、それを言った「人」を紹介するとともに、その欄の最後に、その言葉に関する「参考文献」を2~5冊ぐらい紹介しています。つまり「読書案内の本」でもあるのです。1つの言葉について4ページとコンパクトでインパクト、写真もふんだん入っているので読みやすい。1つの言葉について知るたびに、何か考えさせられる、とても勉強になり、更に勉強(読書)してみようと思わせる一冊です。
おすすめです!