新・ことば事情
6026「白色テロ」
「ミヤネ屋」にご出演頂いている読売新聞・特別編集委員の橋本五郎さんから、新著の
『心に響く51の言葉』(中央公論新社)
を頂きました。ありがとうございます。
心に響く言葉が書かれている「元の書籍」も、ちゃんと紹介されているので、この一冊が「読書ガイド」にもなっています。この本を読んだら、紹介されている本も読んでみようかなという気になる。冒頭に出て来た、
丸山真男の『現代政治の思想と行動』
は、大学時代に読みかじった本だけど、引っ張り出してきてまたパラパラと読んでいます!
さて、この五郎さんの本の中で、全然知らない言葉が出て来ました。
「白色テロ」
という言葉です。早速、辞書を引くと載っていました、『精選版日本国語大辞典』。読み方は「しろいろ」ではなく「はくしょく」です。
*「白色テロ」=共産主義勢力などの反政府運動に対する為政者側の暴力弾圧行為。「白色」はフランス王権の表徴である白百合に由来するという。白色テロル。
これに対して、反対語は「赤色テロ」です。これも見ましょう。「あかいろ」ではなく、読み方は「せきしょく」です。
*「赤色テロ」=共産主義者が行う反政府暴力行為。赤色テロル。
これで思い出しましたが、
「白系ロシア人」
という言葉の「白系」は、色が白い「白人」ではなく、
「共産主義(=赤)ではないロシア人」
のことを言うんですね。それと同じ「白」の使い方ですね。『デジタル大辞泉』では、
*「白系ロシア人」=1917年10月革命後、ソビエト政権に反対して国外に亡命したロシア人
でした。