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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_050

『上質な大人のための日本語』(関根健一、PHP研究所:2016、3、29)

 

 

用語懇談会で、十数年来ご一緒している読売新聞・用語幹事の関根健一さんの著書。贈って頂きました、ありがとうございます。

どこからでも読めます。一つひとつの文章が短い(1ページに2段で「2語」が原則)ので、とても読みやすい。単なる「言葉の薀蓄(うんちく)」ではなくて、ちょっと関根さんの"お遊び"も入っているところが、ニヤリとするところ。

「身じたく」「楽しき我が家」「あちらへこちらへ」「見たり聞いたり話したり」「いとしきわが身よ」「季節の移ろい」「空模様・心模様」「時過ぎて」「鏡よ、鏡」「こみ上げるもの」「びっくりどきどき」「いったいどうして」「まあ、こんなもの」「ゆっくり急げ」という各章が大体10ページぐらいという読みごろの分量。少し物足りなく思うぐらいが、ちょうどよい。帯には、

「すこしだけ難しい 知的で奥深い 言葉の数々」

とあり、「すこしだけ難しい」というのは「古語」や、「やや古いけども伝統的な言い回し」が、結構、含まれているから。でも「そういった語彙」が「上品」につながるし、「教養」なのだよと、読んだらわかります。

ちなみに、タイトルの「上質な大人のための日本語」の「上質な」は「大人」にかかるのか、それとも「日本語」にかかるのか?はたまた、その両方か?はああ、その辺りも楽しんで付けたタイトルだなと思ったら、案の定、「はじめに」(=「この本を読むあなたへ」)のところに、そういうことが書かれていました!

 

(☆4つ半)


star4_half

(2016、3、25読了)

2016年3月29日 15:51 | コメント (0)