新・読書日記 2016_043
『闘う力~再発がんに克(か)つ』(なかにし礼、講談社:2016、2、24)
「陽子線治療によって、がんを克服した著者。だが、2年半後に再発してしまう。もう陽子線が使えないという逆境の中で、どうやってがんに克(か)つことができたのか!」(帯より)
そして大きく、
「再び、消えた。抗がん剤治療の真実とは!」
とも、帯にあります。
内容は正にその通りで、抗がん剤治療の詳しい様子が書かれています。一人の著名人の「がん患者」の治療の様子が、患者本人の気持ち・意識で記されているという意味では、医者の側からではない真実が記されていて、貴重なものだと思う。しかも作詞家・作家という「ものを書く仕事のプロ」である著者であるから、自らの体験を客観的に記すことができていると思う。
ただ、がんの症状や、抗がん剤を始めとする治療は、万人に共通ではないので、「同じようにやれば治る」ということにはならない。それは著者ももちろん分かっているが、こういしたことを書き残してくれるのは、後の患者さんにとって、また治療をする医者の側や、患者の家族にとっても、大きな意義があることだと思った。
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