新・読書日記 2016_028
『1998年の宇多田ヒカル』(宇野維正、新潮新書:2016、1、20)
宇多田ヒカルさんのファンです。
結構、CDなども持っています。デビューした時は、衝撃的でした。
「たった16歳で、こんな歌を歌えるなんて!」
とビックリしたのです。
そして「1998年」という20世紀末のこの年も、記憶に残る年でした。私にとっては、サッカーの「フランスワールドカップ」を見に行った年ですし、最後にアメリカ・ニューヨークを訪れた年ですし、用語懇談会の委員になった年でもありました。いろいろ、記憶に残っています。
その「2つのキーワード」がタイトルとなったこの本、実は「1998年」というのは、「史上最もCDが売れた年」でもあったそうです。知らなかったが、確かにその頃は、CDをたくさん買っていました。
その年にデビューした「4人の歌姫」、すなわち「宇多田ヒカル・椎名林檎・aiko・浜崎あゆみ」。同期だと言っても、なんか繋がりがなさそうに感じるのだが、それぞれこの17年を生き抜いて活躍し、実はつながりも・・・。当時を振り返りながらその後の活動も追って、今後の展望を予想する。
恐ろしいことに、この本を読み終えた日に、6年間の休業中の宇多田ヒカルが活動を再開させ、4月からのNHKの朝ドラの主題歌を歌うというニュースが流れた。ツイッターで知った。この偶然の一致にビックリ。
著者は、本書の最後の最後に、こう書いていたのだ。
「1998年、宇多田ヒカルは日本の音楽シーンのルールを変えた。
2016年、宇多田ヒカルは日本の音楽シーンの延命装置をすべて外してしまうことになるかもしれない」
なんだか、「予言」のような・・・。
(☆4つ)
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