新・読書日記 2016_026
『メディアとテロリズム』(福田充、新潮新書:2009、8、20)
もう7年前に、出てすぐに買ったのに、なかなか全部読み通せなかったが、正月休みに、やっと読み終えた。
でも今、この時期に読むからこそ「なるほど」と思えるものもあった。フランス・パリの新聞社「シャルリ・エブド」へのテロがあってから1年、そして、パリの「ソフトターゲット」を狙ったテロから3か月という時期、その背景にどういったことがあるのか、少し遡って振り返ってみることも必要だ。
本の帯には、
「テロリストは言った。『ゴールデンタイムまで撃つな!』」
とある。つまりテロリストは、単に襲撃や自爆テロを行うだけではなく、メディアを通じて、より多くの人たちに「テロル(恐怖)」を与えることが一番の目的なのだと考えて行動しているということだ。その意味では、その手段が「テレビ」や「新聞」しかなかった時代よりも、「インターネット」が普及した現代の方が、「テロ向きの世の中」なのだろう。21世紀初頭が「テロの世紀」になっている背景には、そういったこともあるように思う。
「第7章 テロリズムに対してメディアはどうあるべきか」は、考える材料になった。
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