新・読書日記 2016_024
『オリンピアと嘆きの天使~ヒトラーと映画女優たち』(中川右介、毎日新聞出版:2015、12、15)
著者の中川さんから贈って頂いた。ありがとうございます。
女優「マレーネ・デートリッヒ」(この本では「マルレーネ・デートリッヒ」と記しているが)と、映画女優で映画監督の「レニ・リーフェンシュタール」、この二人は同世代人だった。しかも「ヒトラー」を取り巻く人脈の中に、時代の流れの中で、否応なく巻き込まれてしまったが、片やドイツを出てアメリカへ、片やドイツに残りナチスの"宣伝映画"である「ベルリン五輪の記録映画」を撮る。この二人を軸に、当時の時代の流れを描いた一冊。
終りの方で、ちょこっと「原節子」も出て来るが、この本が出る直前に「原節子死去」の報が。「時代」の流れである。事実の積み重ねが、「時間の流れ」の中で「歴史」を作っていく。「歴史」は「夜つくられる」だけではないのである。現代に連なる時代の流れを感じることが出来る一冊。
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