新・読書日記 2016_023
『人生をいじくり回してはいけない』(水木しげる、日本図書センター:2010、4、25第1刷・201、9、30第6刷)
去年11月に亡くなった水木しげるさん。2010年に出た本も、おそらく、その「追悼」に合わせて増刷されたんでしょうね。出張で行った東京のプレスセンターの1階の本屋さんで見つけました。
何冊か水木さんの本を読んでいると、同じ話が何回も出て来るので、まるで「復習」しているように、頭の中に入って来ます。
やはり、戦争で行ったラバウルでの経験が、それまでの水木さんの、そもそもの性格をより増幅して、「妖怪」と友達になれるような世界に住むようになったのでしょうねえ。
笑ってはいけないのだが一番笑ってしまったのは、水木さんが徹夜ので見張りに立っていて、本当は、敵が襲ってこないかどうかを見張っていなければいけないのに、明け方に、綺麗なオウムがいるのを双眼鏡でずっと飽きることなく見つめていたら、いつの間にか兵舎を包囲していた米軍が攻めて来て、部隊が全滅。自分だけが助かったと。うーん、何かとてつもない「運」を持っているのでしょう。もしくは「あの世」のものに取り憑かれて「この世」に生き残ったのかもしれません。水木さんは言います。「妖怪は明るい所にはすまない」と。昔は「闇」がたくさんあって、そこに「妖怪」が住んでいたんだなあ。
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