新・ことば事情
5997「12光分」
5か月ぶりに映画館で映画を見ました。リドリー・スコット監督の、火星でのサバイバルを描いた映画『オデッセイ』(原題『The Marthan』=「火星人」)。リドリー・スコット監督と言うと、『エイリアン』『ブレードランナー』『レジェンド~光と闇の伝説』『ブラックレイン』『グラディエーター』『テルマ&ルイーズ』『ハンイバル』『1492』など、様々な映画で私たちを楽しませてくれてきましたね。
この「火星」の映画、上映時間は「2時間22分」と結構、長めですが、それほど長さが気になりませんでした。しかもあとで知りましたが、「火星」のように見える場所は、「火星」でも「CG」でもなく「地球」の「ヨルダン」に「実際にある場所」なんだそうです!一見の価値があります。昼でも夜だん。
物語は、火星探査の宇宙飛行士が事故で死んだと思われて、火星に一人取り残されてしまうという話です。主演のマット・デイモン、頑張っています。
その映画の中で、「地球から火星までの距離」を、
「12光分」
と言っている「字幕」が目に留まりました。「12光『年』」ではなく、
「光分」
という言葉、それは初めて知りましたが、まあ理屈から言うと、意味は分かります。
「光年」は、ご存じのように、
「光の速さ(=秒速30万km)で1年間に進む距離」
だから、「光分」は、
「光の速さ(=秒速30万km)で1分間(=60秒)に進む距離」
なのでしょう。計算は、すぐにできますね。「1光分」は、
「30万km×60秒=1800万km」
です。「12光分」は、その「12倍」ですから、
「1800万km×12分=2億1600万km」
ということになりますね。計算は簡単ですが、この距離を理解するのは難しい。正直、よくわかりません。ちなみに、当然ですが、火星までの「往復距」離は「24光分」です。
『精選版日本国語大辞典』『三省堂国語辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』には「光分」は載っていませんでした。
いやあ、しかし、「光分」の話をすると、「コウフン」しますね!(光速のダジャレで、シメ!)