新・読書日記 2016_017
『マドンナ・ヴェルデ』(海堂尊、新潮文庫:2013、3、1)
一時、海堂尊の作品は、むさぼるように読んだ。「スピンアウト作品」が多く、主人公が次々変わっていく一つの「海堂ワールド」が出来上がっていることに驚嘆し、その世界の中に取り込まれていったが、その舞台となった「桜宮市」や北海道の「極北市」(だっけか?名前、忘れた)の中で物語に少し食傷気味になったのと、余りにもたくさん出て来る登場人物の関係に頭の中がこんがらがってしまい(当然のことながら作品が増えるほど、情報量は増えていくので、もう大変!)しばらく、読んでなかった。以前、買ったままだった本書は、全く予備知識のない状態で読んだ。
「ママ、私の子どもを産んでくれない?」
と産婦人科医である娘に言われ、娘の子どもを産むことになった主人公。日本では、まだ法律が整備されていない。娘の子どもを産むことになった母の心理描写に注目。「娘の受精卵」を「産む」と、日本の法律上は「自分の子ども」になるが、遺伝子上は「孫」である???なんじゃそりゃ!
これを読み終わった次の日(2月2日)に、なんとこんな記事が!
『将来の出産に備え、自らの卵子を凍結保存していた大阪府内の40歳代の女性が昨春、その卵子で女児を出産したことがわかった。がんなどの治療を受ける女性が卵子を凍結し、妊娠・出産した例はあるが、健康な女性が出産したケースが公になるのは例がないという。』
しかも、その出産に当たって卵子を凍結したクリニックが「オーク住吉産婦人科」(大阪市)!いつも「ミヤネ屋」で、ゲスト出演してくれている船曳先生のクリニックではないか!この偶然には、ビックリしました。
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