新・ことば事情
5985「ホンシンテンカン」
2月9日のテレビ朝日のお昼のニュースを見ていたら、
「定数削減 する?しない?~ 鶴の一声で 自民迷走」
というニュースで、自民党本部前から中継していた女性記者が、
「ホンシンテンカン」
という言葉を話していました。もちろん、本当は、
「方針転換」
と言おうとして言い間違えたのですが。これって確かに間違いやすい言葉の構造になっています。なぜならば、
「方針転換」=「ホーシンテンカン」
は、後半の「シンテンカン」に全部「ン」が付いていて、最初だけ「ホー」と長音の音引きなんですね。それで後ろの「ン」につられて、
「ホンシンテンカン」
と言ってしまうんですね。
似たようなものには、北朝鮮の船の名前の、
「万景峰号」
があります。これの読み方は正しくは、
「マンギョンボンゴー」
なのですが、前半の3つは「マンギョンボン」と全部「ン」が付いていて、最後だけ「ゴー」と長音・音引きで引っ張るのですね。でも、つい、つられて、
「マンギョンボンゴン」
と言ってしまうことが多い。
人間の頭って「慣性の法則」で、同じリズムパターンを踏襲してしまうんだなあと思って、そのニュースを見ていました。はて、何のニュースだっけ?