新・ことば事情
5980「宮崎アニメ」
「宮崎アニメ」
という言葉を耳にしました。もちろん、
「宮崎駿監督のアニメ」
という意味です。これまでも聞いたことは何度もあったけど、この時には「ハッ」と思いました。というのも、「宮崎アニメ」と「宮崎」と「アニメ」の間に「の」が入らないということは、
「『宮崎アニメ』は『1語』」
だということですね。専門語として認知されているのです。普通なら、
「宮崎のアニメ」「宮崎駿のアニメ」
と「の」が入る「2語」のはずです。
「その分野において超一流・第一人者である」
と社会から認識されないと、出てこない言葉なんだと思った訳です。漫画における「手塚治虫」の、
「手塚漫画」
みたいな感じ。映画なら、黒澤明監督の映画、小津安二郎監督の映画を、
「黒沢映画」「小津映画」
と呼ぶようなものですか。サッカーの、
「ジーコ・ジャパン」(古っ!)
も似ていますが、これは、
「『ジーコ監督』が率いる『サッカー日本代表チーム』」
という意味で、「黒澤映画」「小津映画」とは、頭に冠する名前が「監督」の名前というところが共通している。今は、
「ハリル・ジャパン」
です。「ジャパン」は「その競技の日本代表チーム」という意味。この場合はもちろん競技(球技)は「サッカー」ですが。「ハリルホジッチ」は長いから「3文字」に省略されています。この「チーム」は、
「世界に一つしかない」
ですが、「アニメ」「映画」などの作品は、無数にありますね。サッカーの代表チームも、
「無数にいるサッカープレーヤーの中から選ばれた、唯一の代表チーム」
ということで、「指揮官の名前」を冠しているのかもしれませんね。