新・ことば事情
5970「元カレ・元カノ・元妻」
若者言葉ですが、いつの間にか通じるようになってよく使われている言葉に、
「元カレ」「元カノ」
があります。(「ミヤネ屋」では、よく出て来るような気がします)もちろん、
「元の彼(ボーイフレンド)」「元の彼女(ガールフレンド)」
の意味です。このうち「元カレ」は「の」を抜いただけだからいいとして、「元カノ」は、ちょっと無理がある気がしないでもありません。
というのも「元カレ」は、2字とも漢字で書いて「元彼」としても使えます(読めます)が、「元カノ」は全部漢字で書くと、
「元彼」
となってしまって、
「『元カレ』と区別が付かない」
ので、「彼女」の意味の「彼」は「カタカナ」で、
「元カノ」
としか書けないですよね。話し言葉ではいいですが、書く場合には、ちょっと悩みます。
話し言葉でのアクセントは、
「モ/トカレ」「モ/トカノ」(関西弁では「モトカ/レ」「モトカ/ノ」)
です。「モ\ト・カ\レ」と2語に区切ると普通で、新しい言葉(今使われている言葉)ではありませんからね。
その「元カレ」「元カノ」も、年月が経って結婚します。しかし、4組に1組(以上の)割合で別れます。そうすると今度は、
「元夫」「元妻」
という言葉が出て来ます。これらは昔からあった言葉で、「2語」に区切って、
「モ\ト・オッ/ト」「モ\ト・ツ\マ」
ですよね。ところが最近、このうちの「元妻」を、「ミヤネ屋」の若いADさんは、「元カレ」「元カノ」と同じように「平板アクセント」で、
「モ/トヅマ」
言っていました。しかも「ヅマ」と濁ってしゃべっていました。
さっきも書いたように、本来、「元妻」は、「モ\ト・ツ\マ」で2語に区切って「頭高アクセント」で読むべきですが、去年のクリスマスの「ミヤネ屋」でこの言葉を読む場面が出て来ました。今回は、クリスマスイブに、
「昔の『彼・彼女・妻』」
からもらったプレゼントを「オークションに出す」という話題だったので、
「モ/トカレ」「モ/トカノ」
という「平板アクセント」に合わせて、
「モ/トツマ」
と「平板アクセント」で読みました。ただし「モ/トヅマ」とは濁らず、
「モ/トツマ」
と「清音」で「平板アクセント」で読みました。