新・ことば事情
5949「イルミとコーデ」
雑誌の「HOT PEPPER」の大阪ミナミ版の表紙に、こんな言葉が。
「ウィンターイルミ15」
この中の、
「イルミ」
というのが目新しかった。もちろんこれは、
「イルミネーション」
の略でしょう。
これって、「コーディネーション」を略して
「コーデ」
というのと同じ省略の仕方ですね。語尾が「~ネーション」の外来語は「ネーション」を略した省略語の形になる傾向があるのでしょうか?電子辞書の『逆引き大辞泉』で、「ネーション」と語尾に付く語を検索してみました。×は省略しない、○は省略した語がある語です。( )は言葉の意味。
<×省略しない語> : <○省略した形がある語>
×イマジネーション ○イルミネーション
×インドクトリネーション(教化) ○コーディネーション
×イントネーション ○コンビネーション
×エグザミネーション(試験) ○デノミネーション
×エマネーション(放射性希ガス元素の総称)
×カーネーション
×コロネーション(戴冠式)
×コンタミネーション(2つの語や句が混ざり合い新しい語ができること)
×ディスティネーション(目的地)
×デトネーション(ノッキング)
×ハイフォネーション(行末をハイフンでつなぐこと)
×プラスティネーション(解剖標本作りの手順)
ということで、「ネーション」の語尾が略される傾向にあるわけではなく、省略語の原則である、
「よく使う長い言葉は、短くされる」
に過ぎないということのようですね。その意味では、
「イルミネーション」
「コーディネーション」(コーディネート)
という言葉が、昔よりよく使われるようになってきているということではないでしょうか。
また、「イルミ」「コーデ」は、ともに「3拍語」になっています。関西では、
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」→「ユニバ」
と「3文字」に省略されますが、ちょっと似ているかも。
「マクドナルド」→「マクド」
「ファミリーマート」→「ファミマ」
と「3拍」ですしね。(関東は「4拍」の傾向があるようですが。)
そういったことも、もしかしたら関係しているのかもしれません。