新・ことば事情
5927「受け身形の語尾の省略と助詞」
「ミヤネ屋」のテロップのチェックをしていて、普段よく私が直す「助詞」は、
「『受け身』の形の『語尾を省略』したのに、それに伴う『助詞の変更』をしていない場合」
です。具体的には、
×「親子の関係を一変」→○「親子の関係が一変」
×「変更が検討」→○「変更を検討」
×「木造船が発見」→○「木造船を発見」
×「10人の遺体が発見」→○「10人の遺体を発見」
×「壁に希望が書いています」→○「壁に希望が書かれています」
というもの。
左側の「×」が付いたものの元の形は(ナレーション原稿は省略されていない)、
「親子の関係を一変させた」
「変更が検討された」
「木造船が発見された」
です。この語尾の「された」「させた」という「受け身」や「使役」の助動詞が省略されると、「受け身」ではなくなるので、
「助詞を変える必要がある」
のです。そうでないと、誤ったスーパーを、そのまま「体言止め」で読む人が出て来る(もう出て来ている)からです。
ま、私一人が頑張っても、たかが知れているのですが、世の中の流れは確実に、
「間違った方向に向かっている」
と感じます。「悪貨は良貨を駆逐する」ですね・・・。