新・ことば事情
5908「つがい(番)」
11月26日の「ミヤネ屋」で、弁護士の局部を切り取った男の裁判を取り上げました。被告の名前は、
「小番一騎」
この名字「小番」のルビが、事前チェックしていた際に間違っていました。
×「小番(コヅカイ)被告」→○「小番(コツガイ)被告」
「番」は「つがい」とも読むのです。「つがい」とは、
(1)「二つのものが組み合わさって一組みになること。またはそのもの。対。
(2)動物の雄と雌の一組み。また、夫婦。(以下略)
です。「つがい」でよく使うのは「セキセイインコ」とか「文鳥」などの「小鳥」ですね。
「番」なのに「一騎」というのも、なんだか矛盾しているような気がします。
それにしてもこのニュースを聞くたびに、なんだか痛くて痛くて、耳を塞さぎたくなります。
今、読んでいる佐藤優さんと池上彰さんの対談本『大世界史~現代を生き抜く最強の教科書』(文春新書)の中で、佐藤さんが、
「中国の明王朝では官僚に『宦官』を重用したが、それはそうしないと財力や権力の世襲が生じてしまうから」
と述べていました。そうか、「世襲」を防ぐために「宦官」にしたのか!(切る部所は、小番被告とは違いますが。)
ちなみに、ローマ教会は、「宦官」を用いないために、
「独身制」
を採用したと。これだと外に子どもを作っても、「独身」の建て前だから「後継ぎ」としては認められないということだそうです。
勉強になりました。