新・読書日記 2015_163
『スポーツアナウンサー~実況の神髄』(山本浩、岩波新書:2015、10、20)
著者は、サッカー中継で有名なNHKの元アナウンサー。『メキシコの青い空』という著書も、以前読んだ。もう8年も前か、その名著が出たのも。
その山本さんが「スポーツアナウンサー」=実況ということについて書いた。内容はかなり専門的で、スポーツアナウンサーを目指す人・・・というよりは、既にアナウンサーになっている若い人をスポーツアナウンサーに育てるための教本のようなものだと思った。つまり、読者のターゲットは狭い。(だから専門的。)
最初の方に書かれている「機材の進化と実況内容の変化」は、私も日頃、とても感じていることだ。一般の視聴者は、当たり前すぎて気付かない部分かもしれない。
また、インタビュアーとして「今のお気持ちは?」的な質問は「下の下」で、「やってはいけない質問」に挙げているのも、よく分かる。
終章の「実況のツボ」は、コンパクトにまとまっていると思う。一般の読者にもわかりやすい。「音読み単語は締まる」とか、80年代に「華麗なる」という形容詞が流行ったとか、放送での敬語は2方面であるなど、勉強になりました。
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