新・ことば事情
5887「『立たず』のアクセント」
「立たず」
という否定の「ず」を使った言葉は、「文語」です。
これが現代語の中でも少し改まった「書き言葉」の中に残りました。放送でのニュース原稿などは、その典型です。放送ではその「書き言葉」を「音声化」します。
その読み方・アクセントですが、「本来の文語のアクセント」で発音すれば、
「タ\タズ」(頭高)
となります。
しかし、その際に、現代語の「否定形」の「ない」を付けた、
「立たない」
のアクセントパターン、
「タ/タ\ナイ」(中高・否定の「ナイ」の前にアクセントの滝がある)
を踏襲して、
「タ/タ\ズ」(中高)
とする傾向があります。これは許容かどうか?
いまや、「許容」しても仕方がないと思いますが、私は出来るだけ、元の、
「タ\タズ」
と読みたい。特に「文語」を読むのであれば、それは絶対でしょう。
「現代文」であれば、
「タ/タ\ズ」
でも良いと思います。