新・ことば事情
5885「満弾・連弾・ランニング弾」
10月14日に開かれた関西地区の新聞用語懇談会で、スポーツの用語について話し合っていた中で、毎日新聞の委員から、こんな話題(議題)が出ました。
『「満塁ホームラン=満塁弾」のことを縮めて「満弾」とすることがある。ただ、「連弾」とする普通は「2者連続ホームラン」だが、「2打席連続ホームラン」と取られるかもしれないし、「ピアノの連弾」という言葉も、もともとあるので、ややこしい。各社どうしていますか?』
これに対して、参加した各社からの意見は、
(日刊スポーツ)「連弾」=「2者連続ホームラン」のこと。「2打席連続ホームラン」は「連発」とする。「ランニングホームラン」のことを「ランニング弾」としているのを時々目にするが、違和感がある。
(KTV)日刊スポーツで「満弾 逆王手」という「見出し」を見たことがあるが・・・。スポーツ紙の「満塁弾」「満弾」等の見出しをそのまま読まないように、若手アナウンサーなどには指導している。(「満塁ホームラン」と言い換えるように指導)また、競馬の「中波乱」という言葉は、使わないようにしている。
(ABC)サイドスーパーでは「満塁弾」「満塁打」などを見出し的に使うことがある。
(ytv)サイドスーパーでは「連弾」は使うだろう。「満弾」は見たことがない。音で聞くと「マンダン=漫談」に聞こえるので、しゃべりで「マンダン(満弾)」はない。「満塁弾」はあると思う。
(読売新聞)「弾」が「軍隊用語」なので避けて「HR(=ホームラン)」を使って「満塁HR」「連続HR」などとした時期もあったが、「HR」もわかりにくいという指摘があり、すぐに「連続弾」に戻ってしまった。
といったところでした。
「満弾」は、ないと思うなあ。「ランニング弾」も。唯一、「連弾」は、ありうるかな、ピアノとは意味が違いますが。