新・ことば事情
5876「巻き込まれた」
10月22日の日本テレビ「ストレイトニュース」のトップで、名古屋の工事現場でブロック塀が倒れ、現場の作業員2人が下敷きになるという事故を伝えていました。
その中で、中京テレビの原稿に、
「巻き込まれた2人は」
というフレーズがあり、「おや?」っと思いました。
「事件」や「事故(特に交通事故・交通渋滞)」、あるいは「騒動」に関しては、確かに、
「巻き込まれる」
という表現があると思います。今回の「ブロック塀が倒れた」というのも「事故」ではありますが、「交通事故」に「巻き込まれた」と言うのとは、ちょっと違うような。あくまで「塀が倒れた」のだから、
「事故に遭った2人」
のほうが、表現としてふさわしいのではないかと感じました。
あ、それと「巻き込まれる」には、
「本来の当事者ではないのに、端(はた)にいて、巻き添えを食った形」
のイメージがありますが、今回は、
「まさに事故の当事者」
ですから「巻き込まれた」は不都合なのではと思うのですが、いかがでしょうか?