新・ことば事情
5873「予選プール」
「ラグビーワールドカップ2015」での日本代表の大活躍は、胸が躍りましたね。史上初めて、ワールドカップの舞台で「3勝」を上げることができました。始まるまでに、ここまでの活躍を、誰が予想したでしょうか。すごい男たちです。
さて、3勝を上げたにもかかわらず、ボーナスポイントの差で、惜しくも目標の「決勝トーナメント進出」はなりませんでしたが、決勝トーナメントに行けなかったチームの中ではトップの成績、つまり「ベスト8」の次、「世界9位」の位置を得たのです。
さて、この日本代表が戦った、
「5チームずつ、4つに分かれたグループでのリーグ戦」
のことを、正式には、
「予選プール」
と呼ぶようで、中継を担当した「日本テレビ」では、この言葉を使っています。
10月12日の「ミヤネ屋」の放送でもディレクターが、
「1次リーグ」
という言葉を書いて来たのですが、
「予選プール」
に直して放送しました。しかし、「プール」というのは、
「水泳のプール」
みたいで、日本人には、なじみがありません。その為でしょうか、他のメディアでは、あまり「予選プール」は使っていないようです。
私がチェックした範囲では、10月12日の放送で、
(NHK)1次リーグ
(テレビ朝日)予選ラウンド(「報道ステーション」)
で、ネットの「共同通信」の配信記事でも、
「1次リーグ」
を使っていました。また、10月13日の夕刊各紙は、
(読売)グループリーグ
(朝日)1次リーグ
(毎日)1次リーグ
(産経)1次リーグ
(日経)1次リーグ
でした。そこで10月13日の「ミヤネ屋」では、
「グループリーグ」
を使いました。この戦いは「ワールドカップの本大会」であり「予選」ではないので、「予選リーグ」は使いにくいのと、「1次リーグ」にすると「2次リーグがあるのか?」と思いますが、「2次リーグ」はなく次は「決勝トーナメント」ですから、「1次リーグ」も使いにくい、という消去法と、同じ「読売グループ」が「グループリーグ」を使っていたことなどから、「グループリーグ」を選択しました。