新・ことば事情
5866「『15年』のアクセント」
10月5日のテレビ朝日のお昼のニュースで、アメリカ・メジャーリーグのイチロー選手が、今シーズンの最終戦でなんと「ピッチャー」として登板したと伝えていました。15年のメジャーリーガー生活で初めてのことだそうです。このニュースを読んだ女性のカゲアナが、
「15年のキャリアで初めて」
という文章の、「15年の」を、
「ジュ/ーゴネンノ」
と「平板アクセント」で読んだのです。これには違和感がありました。
今から10年程前に日本新聞協会の新聞用語懇談会・放送分科会で「助数詞の数え方」の一覧表を作った際に、この「15」を含む数字の読み方が、最近、変わってきているので、要注意という話が出ました。当時はまだ、間違った読み方(伝統的でない読み方)をする人は少数でしたが、今はかなり増えて来ています。
今回の「15年」を「平板アクセント」で読んだということに関して、その「伏線」として考えられるのは、
「15年目」
という言葉のアクセントです。これは、おそらく伝統的には、
「ジュ\ーゴネンメ」
と「頭高アクセント」で、あるいは、
「ジュ\ー・ゴ/ネンメ」
と「2語」に分けて発音されていたのかもしれませんが、すでに現在は、
「ジュ/ーゴネンメ」
という「平板アクセント」が一般的になっているのではないでしょうか?
そこからの類推で、「目」を取った「15年」も「平板アクセント」で読むようになって来ているのではないか?と思います。いかがでしょうか?