新・ことば事情
5858「肩の力を落としていました」
9月16日の「ミヤネ屋」で、茨城・常総市の水害の現場から中継した鹿内リポーター。水道がなかなか復旧しないので、片付行けも、ままならない状態の被災された方の意見を取材して、こう、まとめていました。
「皆さん、肩の力を落としていました」
うん?なんか微妙な違和感が。
「ガッカリした」「しょんぼりした」
という意味を伝えるのであれば、これは正しくは、
「肩を落としていました」
か、もしくは、
「力を落としていました」
ではないでしょうか?似たような言い回しに、
「肩の力を抜いて」
というのが、これは、
「リラックスして」
という意味なので、この場合は不適当です。
似たような表現が混ざってしまうことを、
「混交表現」
と言います。一つ一つの言葉の意味・用法をしっかりと身に着けるよう、頑張りましょう。
鹿内さん、これを読んだたら「肩を落とす」かもしれませんが・・・。
(追記)
ちなみに、「肩を落とした」という表現は、9月17日の読売新聞朝刊の、「安保法案を巡る攻防」の記事で、
「民主党幹部は『10政党のうち半分しか野党共闘に残らなかった。大きなダメージだ』と肩を落とした」
と使われていました。
(2015、9、17)