新・読書日記 2015_126
『卑怯者の島~戦後70年特別企画』(小林よしのり、小学館:2015、7、20第1刷・2015、8、11第2刷)
「戦争」をテーマにした漫画。題材は「ペリリュー島」の激戦を参考にしたと言うが、読んでいると、「硫黄島」の激戦を思い浮かべる。リアルな心理描写。小林よりのりの大げさな絵が、全然大げさに感じないタッチで、グッと迫って来るものがある。これを読んだら「戦争は、絶対にしてはいけない」と誰もが思うだろう。「戦場」という「命」が懸かった究極の現場において、人間が如何に利己的な行為をするか、また、自己犠牲的な行為をするのか、「人格」とは何なのか、また「人間の弱さ」についても考えさせられる。そして、それは「敵」も同じであると。その意味では、これは紛れもなく「反戦漫画」である。
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