新・読書日記 2015_120
『さらばスペインの日々』(逢坂剛、講談社:2013、11、21)
遅い夏休みを取った先週、「夏休中に、絶対読み切る!」と目標を立て、この600ページを超える本を読み切った。既に第二次大戦の決着が付いた後の話なのに、それでもハラハラドキドキできるのは、逢坂剛さんの「腕」によるのだろう。そして、ここまで読み継いできたことにも、よるのだろう。
本書で「完結」となった「イベリア・シリーズ」は、1997年9月6日号の『週刊現代』での連載で始まった。それは、逢坂さんが31年3か月務めた博報堂を退社した2か月後からで、本書の完結までは、400字詰原稿用紙で「8000枚」になるんだそうだ。書いた人はもちろん大変だが、読んだ読者も大変だ!そのあたりについて、「あとがき」で逢坂さんも書いている。
「長い間隔を置いて断続的に刊行され本シリーズをずっと読み継いでくださった読者諸氏の温かいご支援のたまものである」
こんなことを書いてくれる著者・シリーズは、あんまり、ありませんよ。
「イベリア・シリーズ」は、その前段に1991年の『斜影はるかな国』があり、またこのシリーズに重なるように1998年に単行本が出た続編『燃える地の果てに』がある。そして「イベリア・シリーズ」7冊は以下の通り。装丁の堀越千秋画伯の絵にも魅せられた。
① イベリアの雷鳴
② 遠ざかる祖国
③ 燃えさかる蜃気楼
④ 暗い国境線
⑤ 鎖された海峡
⑥ 暗殺者の森
⑦ さらばスペインの森
本棚で単行本確認したら・・・あ!『暗殺者の森』が無い!でも絶対、読んでると思うんだけど。そうでないと最終巻の話につながらないし。・・・どこへ行ったのかな。捜しておきます。
と、「読んだ」のなら「書いているはず」だと「読書日記」を捜してみたら、
「2014読書日記009&010『暗殺者の森(上)(下)』(逢坂剛、講談社文庫:2013、9、13)
とありました。なんと「文庫本」で買って読んだのか!これは、単行本も手に入れておかなければ!