新・ことば事情
5851「『拝啓総理大臣様』の言葉」
野村芳太郎監督、渥美清主演の映画、
『拝啓総理大臣様』
のDVDを借りて来て見ました。「1964年」の作品、今から半世紀以上前の映画です。カラー作品でした。渥美清の元・漫才の相方の役を演じていた長門裕之さん、まるでサザンオールスターズの桑田佳祐さんのようでした、若い!
その映画で、あまり最近は耳にしない言葉の数々が出て来たので、記しておきます。
「犬殺し・ルンペン・クロンボ・キイロンボ・どもり・コールガール・おこも・オコジキ・つんぼになって・気違いじみた・アメ公・アメちゃんのパン助」
いやあ、現在のテレビ放送では出て来ない言葉ばかりです。いわゆる、
「差別語」
と呼ばれるものですね。ほとんどが、現在は、
「死語」
になっていると思われる言葉です。たぶん、若い人が見て(聞いて)も、意味がわからないのではないでしょうか?
もし、テレビでこの映画を放送するとしたら、映画の前後に、
「この映画の中には、現在では差別的だと思われる言葉が出て来ますが、映画の芸術性にかんがみ、そのままで放送します」
というような「おことわり」が付くでしょうね。しかし、今「テレビで」見ても面白いのか?みんなが見たいのか?ということから言うと、テレビには出ないのではないでしょうか。「作品そのものの価値」は変わらないかもしれないけれど、「評価」は時代によって変わるのではないかなあと感じました。
ちなみに、この時の「総理大臣」は、
「池田勇人首相」
でした。