新・ことば事情
5849「ピルピル」
先日、行きつけのスペインバルで、バルセロナの3つ星レストランで働く日本人女性シェフが里帰りしたので、その料理を味わう会というのが催され、出席しました。料理はどれも色鮮やかで、オシャレで、まるでフレンチのようでありながらスペイン料理という、楽しくおいしい物でした。その中の前菜の一つに、
「バカラオ(塩タラ)の皮を湯通しした料理」
があり、その名前が、
「ピルピル」
というのだそうです。見た目は「フグの皮」みたいな感じ。名前の由来を聞くと、
「皮を湯通しする時に、縮こまって『ピルピル』と音を立てるから」
なのだそうです。
それで思い出したのは、以前、スペインのバラハス空港で、飛行機から燃料が流れ出したという事故があった時に、スペイン人の乗客がビデオを回しながら、
「チョーロ、チョーロ!」
と言っていて、そこに日本語字幕で、
「燃料が、チョロチョロ流れ出している!」
とあったのです。つまり、ススペイン語で「流れ出す」を「チョロ」と言うと。日本語の擬態語・擬声語と、スペイン語の擬声語は似ているなと思ったのですが、この「ピルピル」も、そういう意味で共通点を感じますね。
「平成ことば事情413チョロ、チョロ、チョロ」も、あわせてお読みください。