新・ことば事情
5836「ワンナウト、ランナー満塁」
8月13日、注目の清宮選手を擁する「早稲田実業」と「広島新庄「」の試合は、7対6という大接戦で、早実が制しましたが、そのNHKテレビ実況を聴いていたら、アナウンサーが、
「ワンナウト、ランナー満塁!」
と言ったのが気になりました。というのも、「満塁」の場合は「ランナー」は付けずに、
「ワンナウト満塁」
と言うのが普通ではないでしょうか?万が一「ランナー」を入れるのであれば、
「ワンナウトランナー、一塁、二塁、三塁」
と、全ての塁を言うべきではないか?(言わないが。)もちろん「満塁」でない場合は、
「ワンナウト、ランナー一塁」
「ワンナウト、ランナー三塁、二塁(二塁、三塁)」
とは言うのですが、「ランナー満塁」は耳慣れません。たまたま言い間違えたのかな?と思っていたら、その後も、
「ツーアウト、ランナー満塁」
と言っていたので、このアナウンサーは、こういう言い方をずっとしているのでしょう。なんか違和感あったなあ。
ちなみに、
「ランナー三塁、二塁」(あるいは「ランナー、二塁、一塁」)
という言い方は、「テレビ的」です。カメラの映像が、まず得点圏に近い「三塁ランナー」を写してから、
「もう一人、ランナーがいるよ」
と「二塁ランナー」を写す、その映像の順番にあわせた実況です。普通は、
「ランナー二塁、三塁」「ランナー一塁、二塁」
という「数字の順番」に言いますからね。ですから、ラジオ実況では「三塁、二塁」とは言わないのじゃないかなとも思いますが、最近、あまりラジオで野球を聞いていないのでわかりません。もしかしたら、テレビと同じ理屈で「得点に近いランナー(三塁)を先に言う」のかもしれませんが。今度、ラジオ実況のアナウンサーの方に聞いてみます。