8月5日に「ミヤネ屋」で放送した、「KABA.ちゃん」が「男」から「女」になろうとしているという話題で、スタジオのリード部分では、
「性転換手術」
と言いましたが、VTRやスーパー、スタジオコメントでは、
「性適合手術」
と言っていました。その昔は「性転換手術」と言っていましたが、10年以上前からは、
「性適合(化)手術」
と言うようになっています。これは「性転換」という言葉についた「悪いイメージ」を払拭するためでもありました。この話題を報じた女性誌やスポーツ紙には、
(見出し) (本文)
「女性自身(8/18・25号)」 性転換手術 性別適合手術、いわゆる性転換手術
「デーリー(7/27)」 **** 性転換手術
「日刊スポーツ(7/22)」 性転換"工事" 性別適合手術(性転換手術)
「日刊スポーツ(7/14)」 性転換手術 性別適合手術(性転換手術)
「スポーツ報知(7/14)」 性転換手術 性別適合手術(性転換手術)
「スポニチ(7/14)」 性別適合手術 性別適合手術(性転換手術)
とありました。
「性適合手術」というのは、
「性同一性障害」
という「疾患(病気)」を治す手段としての手術だということを、定着させるための名称変更でした。
さらに、去年(2014年)春には、日本精神神経学会が、「精神疾患の病名」の新しい指針を公表しました。それによると、
「性同一性障害」⇒「性別違和」
などに変更されています。差別意識や不快感を生まないようにしながら、病名を周知させるのが狙いだとのことです。
しかし、「性同一性障害」は法律名(「性同一性障害特例法」)にもなっていて、まだ名称が変わっていませんので、マスコミ各社も「性同一性障害」のままです。
国(厚生労働省)が決定したら、その段階で「新しい名称を採用する」ことになるだろうというのが、2014年6月に開かれた「新聞用語懇談会 放送分科会」での各社の用語委員の見解でした。
『読売テレビ放送用語ハンドブック第三版』の50ページにも「性同一性障害」とは、
「自分の心の性と身体の性との不一致が容認できないこと。2004年に『性同一性障害特例法』が施行され、一定の条件下で『性別の取り扱いの変更審判』を受けることが認められている。『性同一性障害』が疾患のひとつであることを理解し、この言葉を適切に使うことに留意すべきである。」
とあります。このところ、
「LGBT」
に、スポットライトが当たっています。すなわち、
「L」=Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)
「G」=Gay(ゲイ、男性同性愛者)
「B」=Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)
「T」=Transgender(トランスジェンダー、性同一性障害含む性別越境者など)
の人々を意味する「頭文字」をつなげたものです。
また、京都世田谷区は先月(7月)、同性カップルから申請があれば「結婚に準じる関係」と認める公的書類を発行する方針を決め、11月をめどに実施することになりました。ことし4月に同性パートナーシップ条例を施行した「渋谷区」に次いで、全国で2例目となります。日本もそういう方向に、時代は動いているようです。
(2015、8、5)