新・ことば事情
5818「もふもふ、ぷにぷに」
「キラキラ」「ピカピカ」「ギトギト」「ドキドキ」「スバスバ」「ピクピク」
といった「擬態語」や「擬声語」は、
「カタカナで書くのが基本」
のように思っていました。しかし、最近は、
「もふもふ」「ぷにぷに」
のように、
「平仮名で書く」
ことが増えているように感じるのです。特に。若いディレクターやADが発注して来るテロップの擬態語・擬声語の表記が、
「平仮名」
で書かれていることが多いのです。まず大体は「カタカナ」に直しているのですが。
「平仮名」で書かれたほうが、
「やわらかい」「やさしい」
感じがするのは、確かです。
「モフモフ」「もふもふ」
「プニプニ」「ぷにぷに」
ね!「平仮名」のほうが、やわらかい気がしませんか?
それはわかるのですが、何でもかんでも「平仮名」がなにしなくてもいいじゃないかと思うわけです。あくまで基本は「カタカナ」、例外的に「平仮名」でいいのではないでしょうか?あの、「ラーメン」を「らーめん」「らあめん」と書くのと似たような心理があるんですかね?(「平成ことば事情1730 らあめん」「平成ことば事情1947 らうめんとらあめん」参照)
グーグル検索では(7月14日)
「もふもふ」=129万0000件
「モフモフ」= 93万7000件
「ぷにぷに」= 98万0000件
「プニプニ」= 66万9000件
でした。
そして、読売新聞東京本社・編集局校閲部主任の島津暢之さんが、このたび出された、
『知らないうちに間違えている日本語』(宝島社)
の中でも、
「ちょっとかわいい新語」(200~201ページ)
として、「もふもふ」「ぷにぷに」は取り上げられています。もう一つ、
「なごなご」
というのもありました。「なごなごする」などと使う、意味はご想像通り、
「なごむこと」
だそうです。ただでさえ「同じ音を重ねた語」は、幼児的な感じでかわいい上に、平仮名で書くからよけいに、かわいらしさに拍車がかかる・・・でも、ちょっと幼稚っぽい気もしますがね。