新・ことば事情
5817「スピード感を持って」
70年前のきょう(7月14日)、岩手県釜石市は、
「艦砲射撃」
を受けたのだそうです。NHKの夜7時のニュースで伝えていました。その「負の遺産」であり、
「不発弾」
が今も残されていると。津波による被害を受けて、土地のかさ上げ作業を進めようとすると、「不発弾」が埋まっている恐れがあるので、まず2000か所にわたって、
「不発弾が埋まっているかどうかの調査」
を行わなくてならないそうです。それに関して、おそらく市の担当者ではないかと思われるのですが、その男性がインタビューに答えて、こう話していました。
「しっかりと調査した上で、スピード感を持って取り組んでいきたいと思います。」
この中の、
「スピード感を持って」
という言葉は、最近よく耳にします。お役人や政治家が使うような気がします。
昔だと、
「可及的速やかに」
と言っていたものではないでしょうか?もっと平たく言うと、
「できるだけ早く」
ということですよね。グーグル検索では(7月14日)、
「スピード感を持って」= 33万5000件
「可及的速やかに」 = 22万1000件
「できるだけ早く」 =321万0000件
でした。結構「スピード感を持って」は使われているようですね。
でもそう言ったからといって、
「スピード感を持って、事が進むとは限らない」
のは、今まで通りだと思いますが。