新・読書日記 2015_096
『沈みゆく大国アメリカ<逃げ切れ!日本の医療>』(堤未果、集英社新書:2015、5、20)
今年初めに読んで、読書日記004に書いた『沈みゆく大国アメリカ』(堤未果、集英社新書)の続編。前著と同じタイトルなので、「あれ?この前読んだのに・・・」と思ったが、前著が、『知られざるオバマケアの実態』について書かれたものであったとするならば、今回は、
「その影響は日本にも及んでいるのですよ。しかもここ数年のことではなく、中曽根政権の30年前から、アメリカの製薬会社のコングロマリットが、日本の政治家を使ってじわじわと進めて来た『規制緩和』で、世界に誇る『国民皆保険制度』は骨抜きにされようとしている!」
と危機感をあおる。ちょっと「陰謀論」風でもあるのは頂けないが、たしかに、「医療分野」は「成長産業」と言われ注目されているが、TPPを始めとした「アメリカの生き残り策」に、日本も手を貸さざるを得ないようになっている現状は、一体どこから始まっているのか?と根っこを辿ると、そういう見方もできるのかもしれない。
日本の「国民皆保険」=「健康保険」は、「保険」と名前は付いているが「国の福祉制度」。それに対して、アメリカが進めているのは「民間の保険会社」の保険制度だ。つまり保険会社がもうかる「商売」である。そのターゲットとして日本が狙われている、と。
"隣の芝生は青い"じゃないけど、
「失った時に、初めてその大切さが分かるもの」
って、我々の回りには、結構たくさんあるんだろうなと思いました。
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