新・ことば事情
5807「山城の読み方」
7月8日の読売テレビの夕方のニュース番組「かんさい情報ネットten.」を見ていたら、アナウンサーが、「山の中に作られたお城」=「山城」を、
「ヤマシロ」
と濁らずに読んでいましたが、これは正しくは、濁って、
「ヤマジロ」
です。すぐに担当のアナウンサーに、注意喚起のメールを送りました。
『京都の地名の「山城」は「ヤマシロ」と濁りませんが、「山にあるお城」の「山城」は、濁って、『ヤマジロ』です。VTR部分を読んでいたナレーターさんも、VTRの中に出て来た専門家も『ヤマジロ』と濁っていました。また、『NHK日本語発音アクセント辞典』にも『ヤマジロ』と濁って載っています。』
「濁る・濁らない」っていうのは、日本語の難しい点の一つですねえ。
ひとつひとつ、覚えていくしかないのかなあ。
一応『逆引き広辞苑』で「城」と書いて「シロ」と濁らないものと、「ジロ」と濁るものを抜き出してみました。
*【シロ】=3(+「の」が入ったもの=4)
浮城(うきしろ:「軍艦」の雅称)・新城(しんしろ:地名・愛知県)・山城(やましろ:地名・京都府)
<鉄(くろがね)の城・陣の城・伝えの城・詰(つめ)の城>
*【ジロ】=22
枝城(えだじろ)・押(おさ)え城(じろ)・掻揚(かきあ)げ城(じろ)・垣城(かきじろ)・小城(こじろ)・捨城(すてじろ)・外城(そとじろ)・付城(つけじろ)・繋(つな)ぎ城・出城(でじろ)・根城(ねじろ)・端城(はじろ)・裸城(はだかじろ)・平城(ひらじろ)・平山城(ひらやまじろ)・水城(みずじろ)・向(むか)い城(じろ)・持城(もちじろ)・本城(もとじろ)・館城(やかたじろ)・屋敷城(やしきじろ)・山城(やまじろ)
圧倒的に「ジロ」と「濁る」ほうが多いのですね!
余談ですが、「シロ」で終わる単語には、
「原子炉」
がありました。「減城」?また「ジロ」で終わる単語には、
「丁字路」「T字路」「Y字路」
がありました。本当に余談でした。