新・読書日記 2015_093
『私の息子はサルだった』(佐野洋子、新潮社:2015、5、20第1刷・2015、6、10第2刷)
故・佐野洋子さんの"新発見原稿"を集めたもの。(一部は新発見じゃないけど、大体は新発見)。
タイトルがもう、すごいです。ホント!?サルだったの?息子さん?
佐野さんは昭和13年(1938年)生まれだから、うちの母とほぼ同世代。つまり息子さんは、私と同世代だ。その息子さんが子供のときのお話。
「あとがきのかわり」で、その息子さんが書いています。「自分のことを書かれるのがイヤだったので、『やめて』と頼んだ」と。それで母(佐野さん)は書くのをやめた...というか、書いていたのだが、それを発表しないでためておいた。それが今回見つかって、出版に至ったと。これはやはり「子どもの成長日記」だったんだよなあ。子供への「愛情表現」に他ならなかった。
でも、息子さんから言うと「実物大の自分」を誇張して、ちょっと粉飾して書かれた姿がイヤでたまらなかったと。
母が亡くなって5年がたち、
「でも、もしかしたら、母にとってはそう見えていたのかもしれないな。母にとっては誇張も粉飾もない"事実"として書かれていたのかも」
と思えるようになったのは、やはり「時間」が経過したからかなあ。
2015読書日記087『子どもはみんな問題児。』(中川李枝子、新潮社)と、あわせて読みたいですね。
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