新・ことば事情
5783「昭和の男」
5月29日、テレビを見ていたら、「横綱・白鵬」が、歌舞伎俳優の中村獅童の披露宴で、こう、コメントしていました。
「昭和の男を演じてほしい」
白鵬ったら、
「モンゴル生まれ」
なのに、「昭和の男」がどんなものか、わかっているんですねえ。
こういう「元号」で表す時代の雰囲気では、
「明治の男(女)」
という言葉がよく使われました。(その時代の人たちが去って行くにつれて、使われなくなってきましたが。)しかし、それに対して、
「大正の男(女)」
というのは、あまり耳にしませんでした
これは、「明治時代」が45年続いたのに対して、「大正時代」はその「3分の1」の15年しかなかったためではないでしょうか?そうだとすると、64年あった「昭和時代」ですから、かなり長く、
「昭和の男(女)」
という表現を引き継ぎそうな気がしますね。
ちなみに、夏場所(5月場所)で見事優勝を飾り、大関昇進を手にした、「照ノ富士」関、
「平成生まれ初の大関」
と、うち(ytv)も含め、報道各社が報じていました。
「モンゴル生まれ」なのに「昭和」?「平成」?
もうこの人たちは、
「国籍が日本かどうかは関係なく、日本の人」
なんですよね。そんな気がしたのでした。