新・読書日記 2015_092
『小林カツ代と栗原はるみ~料理研究家とその時代』(阿古真理、新潮新書:2015、5、20)
「まえがき」の最後の所に、グラフというかチャート表というか、本書に登場する「料理研究家」たちを分類した図が載っている。横軸(X軸)の「左」に「ハレ」、「右」に「ケ」、縦軸(Y軸)は「上」に「本格派」、「下」に「創作派」と記され、それぞれの料理研究家が、縦軸と横軸で4つに区切られた第1~4のどの分野に属するかが一目で分かる。その表がツイッターに上がっていた。それを見て私の目に留まったのは、図の左上(つまり「本格派」で「ハレ」の料理研究家)に載っていた「飯田深雪」という名前。あれ?この人は料理研究家だったのか!私は「アートフラワー」の「特定商品名」の権者だと思っていた!ということでした。江上トミ、土井勝など懐かしい名前から、小林カツ代、栗原はるみというなじみのある名前、そしてその息子の世代にあたるケンタロウ、コウケンテツなど、特に料理に詳しくない私でも目にしたことがある、耳にしたことがある(つまりテレビや本屋さんで見かけたことがある)料理研究家たちが、どのように表れ、どのように浸透していったのか、またその時代背景は?というようなことを分析しつつ、記されている。日本人の食生活の歴史(流れ)と、自分自身の食生活の歴史を重ね合わせながら読むと、大変興味深い。
また、この本の後半、ケンタロウやコウケンテツといった男の若い人たちが出て来た頃から使われ出したという「料理家」という言葉、やはりあったか!と思った、今年の春に初めて気づいたこの言葉、詳しくは「平成ことば事情」で書くつもりです!
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