新・読書日記 2015_084
『アウトサイダー・アート入門』(椹木野衣、幻冬舎新書:2015、3、25)
ツイッターでフォローしている美術評論家の椹木野衣さんの新著。と言っても、もう出てからだいぶ経ちましたが。すぐに買ったけど、読むのに時間がかかった。340ページぐらいなんだけど。カタカナの名前の人が多いので、しかも不勉強な私は良く知らない人たちなので、なかなか頭に入って来なかった。
「アウトサイダー・アート」とは?
「アール・ブリュット」とも呼ばれていたものだが、従来の流れのアーティストではなく、どちらかと言うと「外道」だったものですね。最近、光が当たって来ていると。
この本で出て来たのは、シュヴァルの宮殿、ロディアの奇妙な塔(これは何となく聞いたことがあったが、背景は知らなかった)、日本で言うと、有名なところでは「裸の大将」の山下清。また、郵便局長で火山学者、北海道の有珠山の火山活動の研究をしながら絵も残した三松正夫。あ、行ったことあります、有珠山の火山博物館。あれの人なのか。また、大本教の出口なお・出口仁三郎。壮絶な生涯だったんだな。
そして、亡くなった老人ヘンリー・ダーガーが残した絵画の山は、ゴミの山に埋もれていた・・・え?それって「ゴミ屋敷」やんか!「ミヤネ屋」で藤村リポーターが取材した名古屋のゴミ屋敷。あの名古屋のおじさんも、「実はアーティスト」だって、自分で言ってたし、空き缶を溶かして作品を作ってるって言ってたし。もしかしてあれも「アウトサイダー・アート」!?と思いました。全国のゴミ屋敷、実は素晴らしいアートの宝の山かもしれない。でも「理解者」がいないと「単なるゴミの山」になってしまうんだけど。
ことし3月に行った、スペインのビルバオにある「グッゲンハイム美術館」で特集していた、「ニキ・ド・サンファル」の名前も出て来た。ビルバオの「グッゲンハイム」に行っていなければ、私にとって何の関心もなく過ごしていたはずの画家である。そして、その「ニキ・ド・サンファル」の展覧会が、東京の国立新美術館で9月に開かれる!見に行かなくちゃ!