新・ことば事情
5775「さけるか?よけるか?」
2015年5月6日、高校2年生(16歳)が、運転するバイクが転倒し、後ろを走っていた20歳の友人の車に轢かれるという事故のニュースをABC・朝日放送が流していました。
その際に、後ろを走っていた車を運転していた20歳の男の話として、
「バイクが転倒したが、さけきれなかった」
というような原稿を読んでいました。それを聞いて私は、この場合は、
「よけきれなかった」
ではないかと思いました。
「避ける」
と書いて、「さける」と読むのか「よける」と読むのか?その違いは何なのか?考えてみました。ちなみに「常用訓」では、
「さける」
しかありません。「よける」は「表外訓」です。
これはあくまで「私の語感」ですが、
*「さける」=困難なことや不都合なこと、嫌いなことを事前に察知して、それに遭遇しないようにすること。
*「よける」=自らの進む方向から自分のほうに向かって、危険なこと・汚いものがある・やって来るのに、その方向に向かわざるを得ないときに、その事物をかわして進むこと。
というようなニュアンスがあるのではないでしょうか?
いかがでしょうか?