新・ことば事情
5766「MERS」
韓国で、
「中東呼吸器症候群」
という病気で、死者が2人出ました。「ヒトコブラクダ」から飛沫感染するそうで、
「MERS」
という略称で呼ばれています。致死率が40%(!)だそうです。
「ME」は「Middle East(中東)」、「R」は「Respiratory(呼吸器)」、「S」は「Syndrome(症候群)」です。
6月1日のニュース(どこの局か、メモを忘れたのですが)では、
「マース」
と言っていたのですが、翌6月2日には日本テレビ『スッキリ!!』で、上重聡アナウンサーが、
「マーズ」
と"濁って"読んでいました。「朝日新聞」のサイトは、
「中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)」
と、やはり濁っていました。その他のメディアも、私が見た限りは、
「マーズ」
と濁っていました。また、NHKのサイトは
「MERSコロナウイルス」
と病気の原因のウイルスの名前を記していました。
以前、似たような名前の病気が流行りましたよね、そう、
「SARS(重傷急性呼吸器症候群)」
です。その「SARS」も、
「SARSコロナウイルス」
が原因です。「SARS」については「2003年」(もう12年前!干支が一巡している!)に3回にわたって、私も「平成ことば事情1142&」1156&1194」で書いていますが、これの呼び名も当初は、
「サース」「サーズ」「エス・エー・アール・エス」
など、いろいろだったという話ですが、今回は
「SARS(サーズ)」
の前例があったので、比較的早く、
「MERS(マーズ)」
に落ち着いた感じがします。病のほうも、早く収まってほしいです。日本にも入って来ないでほしいのですが。
それにしても「マーズ」と聞くと、どうしても、
「マーズアタック」
という映画を思い出してしまいます。この「マーズ」は、
「Mars」
つまり「火星」で、火星人が攻めて来るコメディー映画(1996年)なんですが・・・。