新・ことば事情
5761「繧繝縁」
ゴールデンウイークも仕事で出勤。
仕事の後は、いつもより少し早く会社を出て、京都国立博物館で開かれていた、
『桃山時代の狩野派~永徳の後継者たち』
という展覧会を見て来ました。屏風などの絵が好きなんです。
その中に、屏風ではなく「掛け軸」の人物画がありました。説明を読んでいたら、
「繧繝縁」
という、とっても難しい漢字が。これで、
「うんげんべり」
と読むそうです。何のことを指すかというと、
「極彩色のついた、畳の縁」
なんです。それを見てすぐに思い出したのは、
「小倉百人一首」
です。あの札を使って遊ぶ、
「坊主めくり」
で、縁にカラフルな色が付いた畳に座っている人物の札が出ると、もう1枚引くことができるんです。その札を指して、我が家では、
「台付き」
と読んでいました。「台付き」って、正式には、
「繧繝縁(うんげんべり)」
と言うのだったのか!とまあ、これだけでも、この展覧会を見に来たかいがあるなあと思いました。
家に帰ってから、「小倉百人一首」を出して来て、一枚一枚見て行って、「台付き」が一体、何枚あるのか数えたところ、全部で、
「9枚」
でした。「台付き」の人の名前で言うと、
「崇徳院、三条院、持統天皇、元良親王、順徳院、光孝天皇、式子内親王、
天智天皇、後鳥羽院」
です。辞書を引くと、「繧繝縁」は、
「三宮(天皇、皇后、皇太后、太皇太后)にしか許されないもの」
なのだそうです。位が高いのですね。
大変、勉強になりました!