新・ことば事情
5756「ガラホ」
5月21日に北海道・札幌市で開かれた「新聞用語懇談会・春季合同総会」で出た「言葉に関する議題」に、
「ガラホ」
というものがありました。私は始めて聞く言葉ですが、ネット上では、既に結構使われているようです。
これは日経新聞の委員から、
『「ガラケー」「ガラホ」の表記についてお聞きします。2015年4月24日付弊紙朝刊1面アタマ記事「従来型携帯の生産終了」で、初版(11版)は、見出しにカギカッコ付きの「ガラケー」の表記を使いました。次版(12版)以降は「従来型携帯」(カギカッコなし)に変えました。「ガラケー」の表記は自虐的に使われることが多く、賛否両論あるが、幅広い層の読者が読む1面(の見出し)で使うのはふさわしくないとの判断です。OSをアンドロイドに換えて中身は従来型携帯の「ガラホ」の表記も、今後の検討課題だとの声も出ました。現時点で通達等は出しておらず、ケース・バイ・ケースで対応しています。ほかの社では、どのような状況なのか教えてください。』
という質問が出たものです。これに対して各社の回答は、
*(時事通信)「ガラケー」の紙面での初出は2013年9月。「ガラケー」の使用は抑制的にしている。しかし「従来型携帯」はわかりにくい。初出は「ガラケーと呼ばれる従来型携帯電話」と説明を付ける。
*(共同通信)2013年から紙面では20件ほど「ガラケー」が出ている。紙面での初出は「従来型携帯電話」とする。解説記事などでは、説明なく「ガラケー」を使っていることも。かなり「ガラケー」は定着しているのでは?「ガラケー」(ガラパゴス携帯)という呼び方が、"自虐的"とまでは言えないと思う。
というものでした。
私(道浦)の観察によると、2015年5月15日付の「読売新聞・朝刊」が見出しで、
「ガラケーにスマホ機能」
というのを使っていました。本記では、
「ガラケー(ガラパゴス携帯電話)と呼ばれる従来型携帯電話に米グーグル社のスマートフォン用の基本ソフト(OS)『アンドロイド』を使った機種を相次いで発表」
「スマホのような独自アプリもある程度使える『ガラホ』と呼ばれる高機能ガラケー」
という表現でした。
グーグル検索(5月20日)では、
「ガラケー」=378万件
「ガラホ」 =193万件
でした。
一緒に出席した萩原アナウンサーとこの話題について話していたら、彼は、
「なぜ『ガラホ』なんでしょうねえ。普通は『ガラスマ』ですよねえ。それか、『ガラパゴスケータイ』が『ガラケー』なら、『スマートフォンのケータイ』なんだから『スマケー』でもいいのでは?」
と言うので、
「『スマケー』だと、『すま けい』、俳優になっちゃうよ!」
と、一応、突っ込んでおきました。