新・ことば事情
5742「落果」
5月12日、季節外れの台風6号が近付いています。かなりスピードは上がっているようですが、近畿地方でも中部で150ミリ程度の雨が予想されています。
南高梅(なんこううめ)で有名な和歌山県の梅の産地でも、枝が揺れないように、竹で支えて台風に備えている様子が、NHKのお昼の関西ローカルのニュースで放送されていました。その際に、梅農家にインタビューした言葉をフォローしたスーパーが出ていました。
「この時期に落下すると大変なので」
これを見て私は、
「『落下』?何が?・・・『落花』ではないのか?」
と思ったのですが、
「いや、梅の花が咲くのは2月。今は花は咲いていないはず。そうすると、落ちるのは・・・『梅の実』だ。そうか、『落果』だ!」
「落果」
というのは、あまり見慣れない言葉ではありますが、意味を考えればそうですよね。「梅の実」は、今の時期に熟(な)るはずです。もう収穫が近い時期に落ちたら、そりゃあ、農家にとってはイタイ!
「ラッカ」
という言葉の同音異義語でしかも意味が近い言葉が、
「落下・落花・落果」
とあるので、ちゃんと理解して使い分けないといけませんね。
グーグル検索では(5月12日)、
「落下」=2480万0000件
「落花」= 215万0000件
「落果」= 46万7000件
というように、やはり「落果」が一番少なかったです。専門用語ですね。一番多いのは当然「落下」でした。しかし、「摘み取り」のことを指す、
「摘果」
という専門用語もあるのですし、果実農家を取材しているのであれば「ラッカ」の「カ」に「果」が入ることも注意すべき言葉でした。
他山の石として、もし「ミヤネ屋」で出て来たら、気を付けます!!