新・ことば事情
5738「敦賀の語源」
20年ぐらい前に、福井県の「敦賀市」は、なぜこう書いて「つるが」と読むのか?という疑問が話題に上ったことがありました。そのまま、ほったらかしになっていたのですが、その謎が、遂に解ける日が!
酒井順子さんの『本が多すぎる』(文春文庫)のコラムを読んでいたら、
「『ツヌガアラシト』という神様の銅像が、敦賀駅前にある」
「この『ツヌガ』が、『敦賀』の語原と言われているらしい」
と書かれているではありませんか!それを読んで「ハッ!」としました。
「つるが」は、
「トゥンガ」
から来ているのではないか?と思ったのです。というのは、「敦」の音読みは、
「『敦煌』の『トン』」=「トゥン」
そこで、
「トゥンガ」→「ツンガ」→「ツルガ」
と訛っていったのではないか?いや、
「『ツヌガ』に合わせて『トゥン』の音の『敦』をあてたのではないか?」
また、あの継体天皇も朝鮮半島から越の国(福井)に来たのですから、「ツヌガアラシト」という神様が朝鮮島から来たと考えられないか。「アラシト」というのは、「現人神(アラヒトガミ)」の「アラヒト」のことですよね。要するに神様。そそうすると「ツヌガアラシト」は、
「朝鮮語の名前」
なのでしょう。その「朝鮮語のツヌガ」に「漢字をあてた」のではないでしょうか?
さらに読み進むと、
「『ツヌガアラシト』は『アメノヒボコ』と同一視されている。『古事記』における『アメノヒボコ』は新羅の王子であり神器を携え日本にやってきたという。」
とあるではないですか!ほら、やっぱり!
どうやら「敦賀」の語源は、このあたりにありそうですね!!