新・ことば事情
5730「未開の地」
(ことし3月)アルゼンチンで、フランスの五輪競泳金メダリストら10人が乗ったヘリコプター2機が衝突・墜落し、全員が死亡した事故。フランスのテレビ番組の企画だったそうです。
そのニュースを「ミヤネ屋」で伝える際に、
「スポーツ選手を未開の地に連れて行き」
という一文がありました。チェックで見逃していたのですが、ディレクターの方から、
「この『未開の地』というのは、そのまま使っていいのでしょうか?現地の英字新聞の英語を、直訳したんですけど」
と質問を受けました。たしかに。ちょっと気になる。「未開」というのは、何が「開けていないのか」というと、
「文明」
ですよね。「文明開化」ではないのですから。でも、この番組はきっと、日本いうところの、
「無人島でサバイバルするような感じの番組」
なんでしょう。そすると「未開の地」というよりは、
「大自然の中に連れて行き」
の方がいいかなと話して、そのように変えました。ちなみに
「『未開の地』にあたる『英語』は何だったの?」
と聞くと、
「remote part of Argentina」
の中の「remote」だと言うので、本当に直訳だと、
「遠く離れた地」「辺鄙(へんぴ)な所」「僻地(へきち)」
でしょうね。