新・読書日記 2015_064
『なにわ万華鏡~堂島商人控え書』(近藤五郎、富士見新時代小説文庫:2015、3、20)
実はこれ、会社の同僚である近藤五郎氏の作品!描き下ろし時代小説。「第1回富士見新時代小説大賞」で優秀賞に輝いたもの。近藤氏は以前、ケーブルテレビ局を舞台にした「青春小説」をものしているが、時代小説の出版は、これが初めて。
読み終わっての感想を一言で言えば、
「よく取材しているなあ」
偉そうに言うと、筆に勢いがあるのが感じられる。そして、著者自身が愉しんで書いている様子が伝わってくる。
「知りたい→調べる→知る→書きたい→書く→知りたい→・・・」
というループの中で生まれた作品のように思う。いや、「編集担当者」のような読み方をしてしまった!
読者としては、佐助の身を借りて江戸時代にタイムトラベルしているような感覚を味わえる。歴史上の有名人が次々出て来て、そこはちょっと、
「一介の商人(あきんど)が、こんなに超有名人ばっかりに次々と会うなんて、ホンマかいな?」
と思うのだが、だからこそワクワクできる。「小説って、フィクションは楽しい!」ということになるんですね。
最後に感想をひとことでまとめると、
「佐助と弁之助の物語の"続き"が読みたい」
である!
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