新・ことば事情
5721「ジューナノカ」
先日、レンタルビデオの「TSUTAYA」に行ったところ、なんだか料金が上がっているようです。若い女性店員さんに聞いたら、
「17日から、料金を改定させていただきました」
とのこと。
「料金の改定」
と言えば聞こえはいいが、要するに、
「値上げ」
ですよね。その「婉曲表現」です。しかし、それよりも私が「ナヌ!」と思ったのは(今どき「ナヌ」は使わないな。死語だな)、この店員さんが「17日」を、
「ジユーナノカ」
と言ったことでした。たしかに単独で「7日」は「ナノカ」ですが、「10」が付いて「17日」になったら「ジューナノカ」とは言いません。これは不思議なのですが、そういう言い方(和語的な日付の数え方)をするのは、
「14日(ジューヨッカ)」
だけなんですね。念のために、書いてみると、
「11日」○ジューイチニチ ×ジューツイタチ
「12日」○ジューニニチ ×ジューフツカ
「13日」○ジューサンニチ ×ジューミッカ
「14日」△ジューヨンニチ ○ジューヨッカ
「15日」○ジューゴニチ ×ジューイツカ
「16日」○ジューロクニチ ×ジュームイカ
「17日」○ジューシチ(ナナ)ニチ ×ジューナノカ
「18日」○ジューハチニチ ×ジューヨーカ
「19日」○ジュークニチ ×ジューココノカ
ということですね。
原則としては「10(ジュー)」が「漢語的な数え方」なので、その後ろに来るのも「漢語的な数え方」ということになるのでしょう。
「和語的な数え方」ならば、「11日」からあとは、
「とう、あまり、ひとひ」「とう、あまりふつか」「とう、あまりみっか」・・・
というようになるのでしょうね。
そうすると、やはり「14日」が例外なのは、「漢語的数え方」で統一すると、
「ジューシニチ」
になるはずですが、この
「『シ』が『死』に通じる」
ので、「忌み言葉」として避けられて、
「そこだけ『和語的読み方』の『ヨッカ』を持って来たのではないか?」
という風に考えられます。きっと、そうだと思います。さっき、思いついたんだけど。