新・読書日記 2015_049
『老人喰い~高齢者を狙う詐欺の正体』(鈴木大介、ちくま新書:2015、2、10)
「2015読書日記047」で読んだ『最貧困シングルマザー』と同じ著者・鈴木大介氏の新書での著作。(今年の2月に出たので「新作」でもあるが。)
世の中の「底辺」や「闇社会」で生きている人たちを取材するジャーナリスト・鈴木氏。
この本では、「オレオレ詐欺」など「老人」を喰い物にする「犯罪者」を取材。彼らがどのような手口で、どういう理屈でこういった犯罪行為を行っているのか?また、彼らが「いい加減な不良」ではなく、そんじょそこらの人間よりもよっぽど強い目的意識とプロ意識を持って、この"仕事"に取り組んでいるかということがわかる。
如何に捕まらないでやるか?如何に組織としてやるか?どういう手段で、部下を教育をして、どの位の期間で、どれだけ水揚げを得れば良いのか?という綿密な計画に基づいて、お年寄りを狙っているということがわかり、
「これは、お年寄りは、やられるわ・・・」
と舌を巻いた。
読み進む中で、そういった犯罪行為に彼らを追い込んだ"社会"」
とは?ということも考えさせられる一冊である。
それにしても、「喰う」の字を「口へん」にしたら、ものすごく「おどろおどろしい感じ」になりますねえ・・・。
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