新・ことば事情
5713「上等兵」
4月8日~9日、戦後70年の節目に当たり、天皇皇后両陛下が、太平洋戦争での激戦地、パラオのペリリュー島へ慰霊の旅に向かわれました。
そのニュースの中で、ペリリュー島の日本軍守備隊約1万人が玉砕した後も、2年半近くジャングルでの生活を続けた元日本兵・土田喜代一さん(95)のインタビューも流れました。「ミヤネ屋」で紹介したその土田さんの肩書が、
「元日本兵」
と同時に、
「元海軍上等兵」
というスーパーも発注されていました。そのスーパーの放送前チェックで、校閲担当の読売新聞OBの方から、ご指摘を受けました。
「海軍だと『上等兵』ではなく、『上等水兵』だと思うんですが・・・」
「え!そうなんですか!」
ということで、「上等兵」をまず辞書(『広辞苑』)で引くと、
*「上等兵=陸海軍の兵の階級の一つ。旧陸軍では兵長の下、一等兵の上の位。旧海軍では上等水兵・上等機関兵・上等工作員などの総称」
とありました。ホントだ。
結局、前日の放送でも「元日本兵」で放送していたので、そのまま全部、
「元日本兵」
で統一したのですが、一つ勉強になりました。